所信
一般社団法人野洲青年会議所
第40代理事長 飯田 幸弘
【はじめに】
一般社団法人野洲青年会議所(以下、野洲青年会議所)は日本で734番目のLOMとして承認され、これまでの39年間、沢山のJAYCEEによる熱い情熱と友情で我々のまち“野洲”を形成してきました。これまでのひとつひとつの年に様々な物語があり、メンバーそれぞれのリーダーシップによって野洲青年会議所を作り上げ、本年で創立40周年を迎えることとなります。これは先輩諸兄姉の弛まぬ努力、汗と涙の結晶であり野洲青年会議所のかけがえのない歴史であります。現在の我々が日々、活動・運動に取り組み、40周年という大きな節目を迎えることができるのは、これまで築き上げてこられた野洲青年会議所の歴史があるからであり、この歴史に敬意と感謝を表し、先輩諸兄姉から託されている志や野洲青年会議所の歴史と伝統を更なる節目へと継承していかなければなりません。
しかし、時代の流れとともに、近年の社会情勢は刻々と変化しています。野洲市も例外ではなく高齢化や環境問題、インフラ整備や野洲市制施行20周年、野洲市長選挙をはじめ行政の体制など様々な変化が想定できます。このような社会の変化やまちの変化に敏感になり、我々のまちにとって豊かさとは何なのか、自らに問い続け、メンバーそれぞれが意志を持たなければなりません。それぞれの立場の中で、家庭や社業、まちを今よりも豊かにしようという強い意志がまちの未来を切り拓きます。いかなる時代でも社会情勢に適応できる組織となる必要があり、これからの野洲青年会議所の在り方を考え、我々のこれまでの活動・運動に磨きをかけ、さらに加速させましょう。
また、この度迎えた野洲青年会議所創立40周年、野洲市制施行20周年という大きな節目を好機とし、地域のリーダーとしての自覚と責任を基盤としている我々がさらにまちで力を発揮するべく、メンバーそれぞれがJAYCEEとしての資質に磨きをかけ、まちの頼りになる存在として野洲青年会議所の存在価値を高めていきましょう。そして、我々の活動・運動に共感をしていただける新たな仲間を集結させ、多くのつながりを構築し、より豊かな未来を共に描き、自分らしく生きることができる、より豊かなまちを共に創っていきましょう。
【未来を創る理念の拡大】
会員の拡大は理念の拡大であり、我々にとって最大の運動であります。会員数の動向については現状維持が続いていますが、「明るい豊かな社会」という我々の理念を実現していくには「地域のリーダーとして社会に貢献する」という志をもつ仲間を増やしていかなければなりません。その志が我々のまちの未来を形成することにつながり、地域で活躍できるリーダーを生み出すこととなります。まちのより豊かな未来のために、我々はこの拡大運動を継続的に実践し、時代に沿った形で未来の仲間に想いを届けていく必要があります。
近年の青年会議所では、「発展と成長の機会」が特に強調されています。この機会を経験できる仲間をより多く募り、未来を担う地域のリーダーの育成を進めていかなければなりません。そのためには、青年会議所の理念に共感していただける具体的なアイデアを打ち出し、戦略的な行動が必要となります。また、誰かの行動やきっかけを待つのではなく、メンバーそれぞれが理念の体現者であることを自覚し、それぞれが行動しなければなりません。全員参加で新たな仲間を見つけ、野洲青年会議所とメンバーのネットワークを拡げ、さらなる拡大につなげていき、それぞれのより豊かな未来を新たな仲間と共に創りましょう。
【未来を創る研修と交流】
仲間と過ごす時間はメンバー一人ひとりの人生の財産となります。我々は、限られた時間の中で青年会議所に費やす時間を選択し、日々活動をしています。家庭の時間や社業の時間、青年会議所の時間がある中で選択した時間を価値のあるものにするべく、我々の使命である、地域のリーダーとしての自覚、責任を全うするため、メンバーそれぞれが自らの立場で目の前のことに全力で向き合わなければなりません。
野洲青年会議所にはメンバーそれぞれの個性が存在します。まずは、共に過ごす仲間だからこそ互いに認め合い、本気でぶつかり合える環境を創出しなければなりません。JAYCEEとして互いの個性を認め合いリスペクトをもって過ごす時間がそれぞれの自己成長を生み出します。そして、メンバーそれぞれが自己成長を追求することで、魅力的なJAYCEEが集まる組織となり、魅力的な組織として互いに成長しあえる野洲青年会議所となることでしょう。
そして、活動を後押ししてくれる我々の根幹である先輩諸兄姉や活動以外の時間である家庭や会社、それぞれに対して価値を感じてもらえるひととなり、組織となり、日頃から支えていただいていることに感謝を抱きながら青年会議所に向き合うことになるでしょう。一人ひとりがそれぞれの時間を大切にできる、より豊かな未来をメンバー皆で共に創りましょう。
【豊かなひととまちへ】
我々の想いを込めたまちへの運動はこれまでに多くのひとの心を動かしてきました。しかし、社会情勢の変化に伴い、ひととまちが望むことは日々変化を遂げています。我々の自己満足で終わる運動ではなく、豊かなまちを実現するためには今一度まちと我々の想いの接着点を明確にし、意識する必要があります。我々のまちには今、何が必要とされていて、何が望まれているのか、改めて野洲というまちの現状を知り、我々がまちに対して描く想いとリンクする接着点がこれからの豊かなまちづくりの起点となります。まちには自らが考え課題解決に向けて独自で活動をしている市民活動団体が多数存在します。しかし、その多くの活動の認知度が高められておらず必要とされる市民にまで拡がっていない現状があります。これは我々も同じであり、互いの強みを活かし、互いのシビックプライドを掛け合わせた協働でより大きな運動を展開し、行政の協力を得ながら想いを市民に届けることが豊かなまちを形成します。また、持続可能な豊かなまちには青少年の人財育成が重要であり、未来を担う人財の郷土愛がまちの未来を切り拓きます。地域資源を活かした体験を通じて、心に残る思い出を創り出し、郷土を想う心を生み出すことでこれからの地域を担う人財を創出し、持続可能な豊かなまちへとしていきましょう。
そして、ひととまち、関係諸団体に我々の想いを発信するからこそ、受信をしてもらう思考をもたなければなりません。明確で戦略的な広報を日々実践することで、我々の想いを表現する場を拡げ、地域のリーダーである我々の想いをのせて、より豊かなまちの未来をカウンターパートと共に創りましょう。
【感謝の40周年とその先へ】
1984年の創立以来、野洲青年会議所は39年間、野洲の地で信用と信頼を築き上げてきました。これは、先輩諸兄姉が紡いできた歴史であり、功績であります。この歴史と功績があるからこそ我々は今、40周年という大きな節目を迎え、今もなお、まちに必要とされる存在として定着しています。しかし、時代は大きく変わり、まちは刻々と変化しています。先行きが不透明な時代であるからこそ我々がより必要になる時であり、40周年という大きな注目と期待を寄せていただける今こそ、活動・運動をさらに加速させ、野洲青年会議所を躍動させましょう。
また、これまで野洲青年会議所が歩んできた歴史の中には我々に心を寄せていただいた多くの方々の存在があります。市民や関係諸団体、行政、我々の根幹である先輩諸兄姉に改めて感謝を示し、また、我々がこれから目指すまちの未来を明示し決意をまちに流布させていかなければなりません。まちを愛し、大きな夢を想い描き、より豊かなまちの未来を描く我々の姿は多くの共感を集め、更なる力を携えた組織となるでしょう。40周年という絶好の機会を活かし、まちの発展を促進できる地域のリーダーとして、より豊かな未来をまちと共に創りましょう。
【結びに】
共に創る活動と運動には無限の可能性が広がっています。一人の力ではなく、一人ひとりの力を掛け合わせ、我々の可能性を信じ1年間共に突き進みましょう。そして、我々が得る機会や創る機会のすべてがまちのより豊かな未来につながる、かけがえのない時を過ごしましょう。そのためにはまず、より豊かなまちを創造する組織である我々、一人ひとりが豊かな状態である事が必要であります。一人ひとりが豊かな状態であるからこそ、未来を想い描くことができ、より豊かな未来を創り上げることができます。その豊かさをまちへと拡げていくことで野洲青年会議所は地域にとって欠かせない存在となり、我々の存在価値が高まることでしょう。いつの時代でもまちの未来を支えることができる誇りある野洲青年会議所を未来へ紡いでいきましょう。
私は野洲青年会議所に入会してから、沢山の発展と成長の機会をいただき、自分の未来が楽しみに思えるようになりました。メンバーそれぞれが自分のより豊かな未来を明確に描き、家庭・社業・青年会議所、その他いかなる時でも何ができるのかを考え、共に過ごす瞬間を価値あるものにしていきましょう。限りある時間の中で互いに高めあい、互いの未来が楽しみになる豊かな時を共に創りましょう。
青年会議所(JC,Junior Chamber)とは
青年会議所とは
1949年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志による東京青年商工会議所(商工会議所法制定にともない青年会議所と改名)設立から、日本の青年会議所(JC)運動は始まりました。共に向上し合い、社会に貢献しようという理念のもとに各地に次々と青年会議所が誕生。1951年には全国的運営の総合調整機関として日本青年会議所(日本JC)が設けられました。現在、日本全国に青年会議所があり、「修練」「奉仕」「友情」の三つの信条のもと、よりよい社会づくりをめざし、ボランティアや行政改革等の社会的課題に積極的に取り組んでいます。さらには、国際青年会議所(JCI)のメンバーとして各国の青年会議所と連携し、世界を舞台として、さまざまな活動を展開しています。
青年会議所の特性
青年会議所には、品格ある青年であれば、個人の意志によって入会できますが、20歳から40歳までという年齢制限を設けています。これは青年会議所が、青年の真摯な情熱を結集し社会貢献することを目的に組織された青年のための団体だからです。会員は40歳を超えると現役を退かなくてはなりません。この年齢制限は青年会議所最大の特性であり、常に組織を若々しく保ち、果敢な行動力の源泉となっています。各青年会議所の理事長をはじめ、すべての任期は1年に限られます。会員は1年ごとにさまざまな役職を経験することで、豊富な実践経験を積むことができ、自己修練の成果を個々の活動にフィードバックさせていくことができます。青年会議所におけるさまざまな実践トレーニングを経験した活動分野は幅広く、OBも含め各界で社会に貢献しています。たとえば国会議員をはじめ、知事、市長、地方議員などの人材を輩出、日本のリーダーとして活躍中です。
国際青年会議所(JCI)について
自由な社会と経済発展を実現し、新しい社会をリードするにふさわしい人材育成を目的として、1915年にアメリカ・ミズーリ州セントルイスに生まれた小さな青年活動グループから始まったJC運動は、その活動が認められ,アメリカの社会的活動を担う主要な青年団体へと発展していきました。1944年には「積極的な変革を創り出すのに必要な指導者としての力量、社会的責任、友情を培う機会を若い人々に提供することにより、地球社会の進歩発展に資すること」を使命に、アメリカ、コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマの8カ国によって国際青年会議所(JCI)が発足。その後、年々加盟国は増え、日本も1951年に加盟、JCIの一員として新たな活動の一歩を踏み出しました。会員数17万人以上の世界で最も大きな青年団体です。現役メンバーに加え約250万人以上ものOBがいます。毎年11月には世界会議が開催され、世界中のメンバーが一堂に会する重要な国際交流の場となっています。
一般社団法人野洲青年会議所について
こうした流れを受け、野洲の地において、1985年、思いを持った若者が集まり、日本国内において734番目の野洲青年会議所が誕生しました。
一般社団法人野洲青年会議所は、滋賀県を活動地域とした地区青年会議所(LOM : Local Organization Member)の1つです。全国には約700の地域にLOMがあり、それらの連携・連絡調整機関として47都道府県ごとにブロック協議会が、ブロックの連携・連絡調整機関として地方ごとに10の地区協議会が組織されています。
各LOMからブロック協議会、地区協議会、日本青年会議所へ出向することができます。日本青年会議所は国家青年会議所(NOM: National Organization Member)として国際青年会議所に加盟しています。
青年会議所の活動・運動はSDGsが掲げる17の目標に関連しています。
さまざまな青年会議所の活動記録をご覧ください。